【塗装(壁・屋根)の高圧洗浄】事前調査は必要?除去作業に該当する?
塗装工事において、高圧洗浄を行う場合は事前調査が必要です。
高圧洗浄を行う場合は既存の塗材が削れる等のリスクがあるため、
工法によっては現存の材料等の除去に該当する可能性があります。
高圧洗浄を行わない場合でも、
既存の塗材を除去する場合は事前調査が必要です。
既存の塗材を除去せずに上から塗材を重ねる工事において、
高圧洗浄を行わない場合は調査の対象外となります。
【補足】
▶石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル(厚生労働省)
⇒PDFの179ページ(資料内173ページ)から「建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針」の記載があります。
PDFの180ページ(資料内174ページ)の表 XI-2から、工法や建材の状態によって石綿業務の判断が行えます。
ここでは、除去をせずとも、「塗膜の洗浄」でも事前調査と結果の掲示が必要であることが読み取れます。
除去作業に当たるかどうかの判断については、以下の資料に詳しく記載がございます。
▶「建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材 からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針」(国立研究開発法人建築研究所 日本建築仕上材工業会)
⇒PDFの12ページ(資料内7ページ)に、特定粉じん排出等作業に該当するかどうかについて以下の記載があります。
次の①~③に示すような主材層に影響を及ぼさない処理は、
石綿等を除去する作業に該当しないことから、本指針によらず石綿を含有していない一般的な仕上塗材の改修工事に準じることとしている。
①上塗材が施されていない薄塗材・厚塗材で、劣化が認められない既存仕上塗材層表面の汚れを水洗いまたは 15MPa 以下の高圧水洗で洗浄する処理。(解説表 3.1 の工法区分 III)
②上塗材が施されている複層塗材・厚塗材で、上塗材には白亜化、エフロレッセンス、剥がれ、膨れ、割れの何れかが認められるが、主材層は劣化しておらず、上塗材表面の汚れ、付着物または脆弱な上塗材の部分を、水洗いもしくは 15MPa 以下の高圧水洗(集じん装置付き高圧水洗含む)で洗浄・除去する処理。(解説表 3.2 の工法区分 III)
③過去に実施された改修工事において、石綿含有仕上塗材の表層に石綿を含有しない改修塗装系が施されており、既存仕上塗材層の洗浄・除去に当たって石綿含有仕上塗材主材層に全く影響を及ぼさない処理。
⇒PDFの26ページ(資料内21ページ)に高圧水洗工法についての記載があります。
(4)(中略)15MPa 以下の吐出圧力による「高圧水洗工法」は、一般的に既存仕上塗材層表面の粉状物や付着物 を除去・清掃する工法であるが、既存仕上塗材層表面が経年劣化などにより脆弱な場合や、既存仕上 塗材層と下地との付着力が著しく低下している場合などには、既存仕上塗材層が部分的に除去される。 一方、30~50MPa 程度の吐出圧力よる「高圧水洗工法」は、既存仕上塗材層を全面的に除去する場 合または部分的に既存仕上塗材層を除去する場合などに用いられる工法である。
上記をご参考の上、
塗膜の劣化度合・高圧洗浄時の水圧などを総合的に判断して石綿作業の有無を判断してください。